特殊清掃という言葉は聞いたことがある方も多いと思いますが、その詳しい内容や必要性についてどれくらいの方がご存知でしょうか。ここでは、特殊清掃の必要なケースや、その際の作業内容、注意点や業者の選び方、費用の相場など、「特殊清掃について」詳しく解説していきます。
特殊清掃とは、孤独死や事件、事故などが起きてしまった特殊な現場を清掃することです、また火事の後や動物の多頭飼育によるゴミ屋敷等の通常の清掃では元の状態に戻すことのできない清掃を行う事を特殊清掃という場合もあります。 吐血の現場というのも通常の清掃では落としきれない特別な清掃方法や専用薬剤を用いるため特殊清掃という範囲になります。
特殊清掃はどのような時に必要なのでしょうか。 特殊清掃とは、通常のハウスクリーニングでは落とせない汚れやニオイを専用の薬剤や器具を使用しおこなわれる清掃のことです。 主に、次のようなケースで行われることが多いです。
高齢者やひとり暮らしの方が孤独死され、発見が遅れるケースが多くあります。 その場合、数か月前に亡くなっていた…なんてことも。 その時の季節やエアコン稼働していたかによっても遺体の腐敗速度は異なりますが、夏場なら2日から3日程度で遺体の腐敗が始まります。 遺体が腐敗していくことで、汚臭や害虫の発生、細菌の繁殖や体液が流れ出てしまう、などさまざまな有害物質がお部屋中に発生します。 遺体が腐敗した部屋には見えない細菌やウイルスが繁殖するおそれがあり、通常の清掃やハウスクリーニングで対応する、素人が行うことはとても危険な行為です。 衛生的なリスクが圧倒的に高い為、特殊清掃業者に依頼をするという必要性はご理解いただけるかと思いますが、今までは人が吐血したケースでのリスクですがもちろんご自身が飼っていたペットが吐血してしまったというケースも中にはあります。言葉を喋れない動物が吐血してしまうことは可哀そうではありますが、人以上に何に感染してしまっているか分からない事が多いので注意が必要です。 次に、吐血されて現場では独特の臭いが残ることがあります。 建具や床に染みついてしまった臭いは市販の消臭剤で取りきる事はできません。 やはり、専門の消臭剤を使用した後にオゾン燻蒸を行いきちんと空気中に含まれている臭気物や感染症の原因となるウイルスを殺菌していく必要があります。
ゴミだけではなく、犬や猫など大量のペットを飼っているが世話が追い付かず、糞尿が放置されている場合も特殊清掃が必要となります。 糞が床にこびりつき取れない、放置された糞から雑菌や細菌が繁殖するおそれもあります。 糞尿のにおいも特殊ですので、なかなか通常のハウスクリーニングで除去することはできません。 また、長年ゴミをため込み、清掃いていない字のごとくゴミ屋敷の場合も、特殊清掃が必要なケースがあります。 壁にこびりついたニオイ、ペットの糞と同様ゴミからも害虫は発生します。それらを除去するために、特殊清掃が必要なのです。
空き家は長い間人が住んでいないため、換気をしていない場合が多く、カビやホコリを餌とする害虫が発生しやすい環境になります。また、長い間水道を使用していないため、水道管が持つ 害虫が侵入する役割が正しく機能しません。結果、外部から水道管をつたって害虫が侵入してくることもあります。 また、第三者により不法投棄された生ごみなどに引き寄せられ、虫が湧いてしまうケースもあります。
水害により家や部屋が浸水してしまい、汚水や下水で部屋が溢れてしまう、などのショッキングな映像を見たことがある方も多いのではないでしょうか。 下水や汚水に雑菌が繁殖するおそれがあります。 そのため水害にする被害でも、特殊清掃が必要なケースがあります。 また、火災が起き広範囲に被害が出てしまった場合は、焼けた木材から有害ガスが発生するおそれがあり、特殊清掃が必要な場合があります。焦げから発生するニオイも、通常のハウスクリーニングで消臭作業をすることは難しく、特殊清掃によるニオイ除去作業が必要になります。
特殊清掃を必要とする状況はご理解いただけたと思いますが、もし特殊清掃を行わなかったらどうなるのか…。 特殊清掃をしないと起こりうる問題を見てみましょう
特殊清掃を行わないと害虫が発生するリスクがあり、その害虫を放置することで健康被害受けることがあります。 排水溝や生ごみなど不衛生な場所にいる害虫は、さまざまな病原菌を持っている可能性が高いです。 中には、重篤な健康被害を及ぼす可能性のある大腸菌、サルモネラ菌を持っているものもいます。 また、糞や害虫の死骸より発生した細菌で、気管支炎や喘息、皮膚の湿疹、かゆみの症状に見舞われてしまうリスクもあります。
汚い部屋をそのままにすることや害虫を放置することで虫の死骸や糞が増えます。それらが原因で建物を汚してしまったり、悪臭がこびりつくことで建物に甚大な被害を及ぼす可能性もあります。 通常のハウスクリーニングではニオイや汚れを落としきれず、フローリング、クロスの全貼替などが必要なるケースもあります。 一軒家だった場合は、シロアリによって柱や梁が食い荒らされてしまい、家屋に深刻なダメージをあたえることもあるのです。
害虫をそのまま放置すると、繁殖しさらに虫の数が増えていきます。 数が増えるだけでなく、種類も増えていくのです。 虫だけでなく、ゴキブリが増えることで、ゴキブリをエサとするネズミ が巣くってしまうこともあります。家の中の狭い空間の中でも、虫や害虫による深刻な問題が発生するのです。
害虫を放置し繁殖が進んでいくと、、近隣住民の方への被害も及ぼします。 近隣住宅に害虫が発生し、トラブルに発展するケースも少なくないのです。 不衛生で汚いゴミ屋敷に隣接する住宅には、大量のゴキブリが生息していると言われることもあります。 アパートやマンションなどの集合住宅では、排水管を侵入経路とし、害虫が移動し全戸に影響が及ぶこともあるのです。
特殊清掃とハウスクリーニングでは、主にどのような違いがあるのでしょうか。 ここでは特殊清掃で行う作業内容を紹介いたします。
通常のハウスクリーニングでは壁紙クロスの汚れや、水回りのカビを落とす、エアコンのフィルター清掃などを行います。 特殊清掃では、血液や体液がついた場所の清掃、消毒、汚物の除去など、専門的な薬剤を使い汚れ落としをおこなう必要があります。 また、汚染された物品の除去や処分作業も併せて行います。
遺体からでた汚臭や腐敗臭は、通常のハウスクリーニングでは除去しきることができません。 特殊清掃では、オゾン脱臭機を使用し、しっかりとニオイを除去できるよう対応していきます。
犬猫の糞尿や遺体などから害虫が発生してしまった場合、周囲に害虫が逃げたりしないよう注意しながら駆除を行っていきます。 特殊清掃では細菌や害虫から身を守るため、防護服や防護マスクを着用し、清掃を行います。
特殊清掃を行う際には、以下のような注意点があります。専門的な知識や技術を持たないと、適切な清掃ができない場合があるため、注意が必要です。
感染症のリスクや化学薬品の取り扱いなど、特殊清掃時には様々な危険が伴います。適切な保護具の使用や、作業の手順を正しく守ることが必要です。
清掃の過程で出る廃棄物や汚染物は、一般のゴミとして捨てることができない場合が多いです。専門の業者を通じて適切に処分することが求められます。
特殊清掃には感染症のリスクが伴います。適切な消毒や、感染症の拡大を防ぐための方法を取り入れることが必要です。
特殊清掃業者の信頼性や実績は、インターネットでの評価や口コミ、さらには業界団体の認証などで確認することができます。過去の施工事例や実績をしっかりと確認し、適切な業者を選びましょう。
料金が安いからといってサービスの質が低いわけではありません。一方、高額な料金でもサービスが十分でないことも考えられます。現場の状況から、どのような作業が必要なのか、作業時間や必要な機材や薬剤を選定して、予算に合った作業ができるか判断するためにも、サービス内容と料金のバランスをしっかりと比較することが大切です。
急な出来事に迅速に対応してくれる業者は、信頼性や実績とともに重要な選び方のポイントです。柔軟な対応や早急な作業が求められる場面も多いため、フットワークの軽い業者を選ぶことがおすすめです。
特殊清掃は感情的にもデリケートな作業となることが多いため、業者のコミュニケーション能力も非常に重要です。遺族の感情や意向を尊重し、柔軟に対応してくれる業者を選びましょう。
特殊清掃業者を選ぶ際には、いくつかの注意点があります。
特殊清掃は、通常の清掃とは異なる専門的な知識や技術を要する作業です。適切な業者を選び、注意点を踏まえて清掃を行うことで、安全かつ確実に清潔な状態を取り戻すことができます。この記事が、特殊清掃の理解や業者選びの参考となれば幸いです。
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